となりの芝生の物語
子育ち講座では、
受講生の方は「子の物語」を発表します。
受講生の方は「子の物語」を発表します。
前回のB2講座での物語をご紹介します。
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Hくん 5歳6ヶ月
Hくんの幼稚園では
課外授業に必要な鞄があります。
その日は課外授業のため
鞄を用意しなければいけなかった日のできごとです。
Hくんは帰ってくるなり怒ったような口調で
H:「お母さん今日、かばんの中にハンドブック入ってなかったよ」
と言いました。
母:「入ってなかったんだ」
と、まねで返すと、Hくんは
H:「お母さん、見といてくれなかったから困ったんだよ」
と、さらに語気を強めて言ったので
母:「え?朝自分でかばんの中に入れてたじゃん」
と、びっくりしてHくんにそう言うと
H:「入れてたけどさ、お母さん見といてくれなきゃ」
と、強い口調で言いました。
Hくんの言葉にムッとして
母:「でもHのかばんだし、
Hがする「あわな」(課外授業)のことだから
お母さんそういわれても困るんだけど・・・」
と、Hくんにそう、言うと
Hくんは黙り込んでしまいました。
そんなHくんに
母:「お母さんに見て欲しいのなら、お母さんに頼んで下さい」
と言うと
H:「はい・・」と小さな声で言いました。
-おしまい-
受講生のEさんは物語を語ったあとに
自分としては、なぜ子に怒られなければいけないのか?という怒りと
びっくりの感情が先に出てしまい、「マネで返す」ができなかった。
普段は園の準備は全て自分でしているのに、
なぜ八つ当たりみたいにされなきゃいけないの?という思いで
未消化の状態になってしまいました。
と、お話しされました。
私はHくんにおぉーと思っちゃいました。
Hくんのことは幼稚園に入園する前から知っていて
顔見知りの間柄です。
以前のブログにも登場している子です。
(こちらも→母の情動と子のEQ③)
遠藤さんは
「原則通りまねでかえすべきシーンであり
一言でいえば『母親として油断した』ということですよね」
と、コメントしてみえました。
私は遠藤さんのコメントに頷きながらHくんが
「見といてくれなくて困っちゃったんだよ」と
「見といてくれなくて困っちゃったんだよ」と
自ら困ったことを母に伝えている様子から
「だからさーまだ、油断してもらっては困るんだよー」
と、遠藤さんがお話しされたように
Hくんがそう言っているように感じました。
そして、親に指摘ができるHくんに対して
なかなかやるなぁーと思ったのでした。
さらに
「子を信じて安心しない」
「母は油断しない」
我が家でもうみくんに対してもある!ある!のことなので
我が身にしみました~(苦笑)
遠藤さんは講座で
方向性、方法論をお話ししてくださいます。
それを踏まえつつ
子との日々のやりとりの実践という中から
テクニックとなる技法や技巧が生れてくるのだと
改めてそう感じる講座になりました。
*この記事の物語はFさんの講座録から引用しています。