外を見てごらん
昨日のできごとです。
「ただいまー」
「遅くなっちゃったぁー」
と、慌てて帰宅した母はリビングへと向かいました。
「おかえりー、まだ、6時だよー」
と、うみくんが言いました。
上着を脱ぐ母に
「外を見てごらん」
と、うみくんが言いました。
母がベランダに目を向けると
洗濯物がありませんでした。
「バスタオルとズボンのふたつはさぁー」
「届かなかったからさー、入れれなかった」
と、うみくんが言いました。
-おしまい-
この1週間、慌ただしく過ごしていました。
昨日は朝早くから夕方までの
フルタイムでしたから
母が家に着いたのは18時。
水曜日はセンターがお休みのうみくんは
6時間授業を終えて学校から帰宅し
母との日課のすり合わせ通り
直ぐにお風呂掃除をして
宿題を終えた後に自由時間で過ごしたそうです。
いつもは母の半強制的で威圧的な指示出しに
「もうー、今やるからー」なんて
言っているうみくんですが
昨日はプラスαで洗濯物まで取り込んでいました。
「できる、できないじゃないんですよー」
「やるか、やらないか」
「やるときはやるんですよー」
改めて遠藤さんの言葉を噛みしめました。
「お母さんがさー、喜ぶかなって思って」
さらに続けて
「まぁー、家族だからねー」
と、言ううみくんの言葉に
お風呂の湯気がやけに目にしみる母でした。