~遠藤式子育ち理論研究所~遠藤さんの子育ち

遠藤式子育ち理論実践中の子育ち家族です👨‍👩‍👧

泣きやむまで傍にいること③

先週は行政関連の託児でした。

行政関連の託児では
1歳~2歳ぐらいの月齢のお子さんを
市役所などでの手続きや相談、議会の傍聴などの際に
短時間(約1時間ほど)お預かりしています。


先週の託児でのできごとです。

1歳5ヶ月のAちゃん、
ベビーカーで寝たまま訪室されました。
託児に来るまでの道のりで眠ってしまったようです。

お預かりして10分ほどで目を覚ました。

しばらくは状況が飲み込めない表情で
辺りを見回していましたが
次第に顔が曇り泣き出しそうになりました。
 
私はすっとベビーカーからAちゃんを抱き上げて
ぎゅーと抱きしめました。
Aちゃんも小さな手でぎゅーと私を握りしめました。

ぎゅーと私を握りしめているAちゃんの瞳から
ポロポロと涙が溢れ出しました。

その姿を見た他の託児者の方が
「お母さん、すぐ、来るからねー」と声をかけた途端
Aちゃんは大声を張り上げて泣き出しました。

「大丈夫ー、大丈夫よー」と
慌てて他の託児者の方が声をかけると
Aちゃんはさらに大声を張り上げて泣き叫びました。


-おしまい-


Aちゃんは30分ほど泣き続けました。
他の託児者の方がどんなにあやしても
泣き止むことはありませんでした。

私はAちゃんの背中を撫ぜながら
時折、即興で自作したわらべうたもどきを
そっと耳元でささやくように語り唄いながら
Aちゃんを抱きしめて部屋の中をウロウロします。

しばらくすると、Aちゃんのぎゅーと握りしめていた
力がふと緩みます。
泣き出してから30分ほどでした。

一たび泣き出したお子さんは
どの子も落ち着くまでに大抵、30分時間を要するのです。
その30分間は何をやってもダメなのです。

その子が泣いて泣いて、ひたすら泣いて
泣き止むまでじっと、見守るしか術はないのです。

この時いつも私の心にあるのは
坂田信弘さんの「叱る力」
以前、「たより」に紹介された文章です。

『子供が泣く。
泣くには子供なりの訳がある。
怒鳴りつけて泣き止ましても、
トンチンカンな同情をかけても
泣く子の理由の解決にはならない。
子供が泣くにはそれ相応の理由があり、
その解決には、自分なりに納得しなくちゃ、
解決に至らず、次に進めぬわけだ。』
※中略あり


私はいつもこの言葉を噛み締め
泣いて泣きじゃくるお子さんを
ぎゅーと抱きしめながら
泣きじゃくるお子さんの環境の一部となるように
無の存在に徹しています。

「口出し無用で傍にいること」は
結構、忍耐力のいることで、
時に「泣いている子もあやせない・・」
と、言われてしまうこともありますが…(苦笑)


ですが、この手法ですと大抵、託児の前半の30分で泣き止み
親御さんがお迎えにいらっしゃる頃には
環境にも馴染んで一緒に過ごしている子がほとんどなのです。

さらに、帰り際には笑顔で手も振ってくれます~(笑)

むやみやたらに大人が介入しなくとも
子は子の力で自ら乗り越えていくのだと
託児の場でも実感しています。


◆関連記事◆