後ろを振り向かない③
「うみさん、雨やんじゃったみたいだよー」
「これならさー、行けたかも・・・」
と、窓の外を見ながら母が言いました。
「へぇー、やんだんだー」
「残念だったねー」と窓の外に顔を向けて
うみくんが言いました。
「あー、もう少し待てばよかったかなぁー」
と、ぶつぶつ言う母に
「まぁーね、しょうがないよ」
「今日はもう、いいんじゃない?」
と、母を諭すようにうみくんが言いました。
-おしまい-
うみくんが学校から帰宅したときは
激しい雨の最中で
びしょ濡れでした。
玄関ですぐさま着替えて
この激しい雨じゃバスも遅れるし…
今日の英語はお休みにしとこうかーと
いうことになったのです。
その後、30分ほどで雨も小雨になり
あー、行けたかもー、もう少し待てばよかったなぁー
なんて、小雨になった様子に
早すぎた決断だったかなぁーという思いが
母の中でチラホラする訳です。
何度もぼやく母はうみくんに
仕方がないんじゃない?と諭されました。
自分で決めたことに対して潔いというか
後ろを振り向かないというか・・・。
うみくんのそういうとこ羨ましく思う母です。