うみくんと歯医者さん 後編
前編から続くうみくんのお話しです。
何だか、ラジオドラマ形式ですね～
（自分で思っているだけですが・・
）
）ではでは、後編へ・・・。
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4歳になった幼稚園の歯科健診でうみくんの
左側の第一乳臼歯に虫歯らしきものが見つかりました。
うみくんに歯医者へ行くことを提案しましたが
以前経験した歯医者でのできごとのためか
頑として首を縦にふらず
何とかうみくんを歯医者さんの入口まで
連れて行っても中に入れません。
海人とぉちゃんと話し合い
歯科受診をうみくんには無理強いせずに
様子を見守ることにしました。
案の定、うみくんの虫歯は進行していきました。
そして、ある日、夜遅く寝ていてうみくん、
ほっぺが痛いと泣き出しました。
その日は土曜日・・。
夜間の歯科総合センターが22時30分まで受診可能でした。
20時に受診をし診察を受けました。
あんなに頑なに嫌がっていた歯科受診ですが、
あまりの痛さに耐えかねたのか診察もスムーズに終えました。
ほっぺの腫れは、歯科だけじゃない可能性もあるから
小児科も考慮してなるべく早目に歯科受診をと・・。
抗生剤を3日分出してもらい帰宅しました。
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市内の小児歯科を探してみましたが見当がつかず・・・。
いろいろと思案をしていたら幼なじみ会のお友だちが
隣の市にあるキッズファミリー歯科を教えてくれました。
早速、受診予約の電話を入れ、今までの経緯をお話ししました。
すると受付の方が、
「先生に確認して折り返しご連絡を差し上げます」と
対応をしてくださり、しばらくすると、
先生が直接、電話をくれました。
再度、今までの経緯をお話しし診察をお願いすることにしました。
抗生剤で痛みが和らいだうみくん、また、「行かない！」と
頑として首を縦にふりません。
ですが、幼なじみ会のお友だちのＨちゃんが
行っているところだと聞くと
頑なだったうみくんに変化がありました。
歯医者さんのホームページでの看板の歯の絵も気に入った様子で
行くことを心に決めたようでした。
当日、朝から何だか機嫌が悪いうみくんでしたが
夕方、歯医者さんの入口へ行きます。
車の中でしばらく過ごし、神妙な面持ちで受付に向かいました。
名前を呼ばれ診察室へ・・・。
診察台へ横になるまで5分、衛生士さんはうみくんにつき合います。
診察台に座ったうみくんに診察で使用する器具をひとつずつ
どのように使うのかを見せてくれました。
「これはね、ぞうさん、長いでしょう？ここから風とお水も出るの」
「これはね、うみくんのお口に入れるかがみ・・」などと
実際に治療に使用するありとあらゆる器具を
衛生士さんの手を使いながら使用する様子を
うみくんに見せてくれます。
最初は身構えていたうみくんも衛生士さんの様子に
少しずつ、話をするようになりました。
そして、今度はうみくんの様子や反応を見ながら
実際に使用する器具で
うみくんの歯の治療のシミュレーションを一時間かけて終えました。
「今日は治療をしません。まず、慣れてもらうのが目的です。
押さえつけて治療をすることはできませんから・・・」と、先生。
通院には海人とぉちゃんの車で30分かかる歯医者さん。
電車やバスを乗り継ぐには少し困難な場所でした。
ですが、この歯医者さんなら
うみくんの治療も可能かもしれない・・。
来週土曜日に予約を入れ、もし、予約前に痛みが激しくなるのなら
電話で一報を入れて受診することで帰宅しました。
虫歯の治療は週一のペースで約3週間、
その後は一カ月に一回のブラッシング指導や定期チェック。
うみくん、最初はしぶしぶ連れられて受診していましたが、
そのうち、自分で診察券と保険証、
医療費受給者証に歯医者さんのスタンプカードを持って
歯医者さんの受付にひとりで行けるようになりました。
変化していくうみくんの様子を
いつも目を細めながらみていてくれた歯医者さん。
笑顔が出て、診療を終えても待合室で遊ぶうみくんの様子に
「本当に慣れてくれましたね～」と嬉しそうに微笑んでくれました。
うみくんが初診から10ヶ月目を迎えたある日、
「ひとりでいく」と、初めてひとりで診察室へ・・・。
うみくん、得意げに歯医者さんに手を振り笑顔で答えました。
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うみくんが初めて歯医者さんに受診した日から、
今月でちょうど１年が過ぎようとしています。
今ではカレンダーに自分で印をつけるまでになったうみくん。
「乳歯の虫歯よりも、歯医者さんへ行けることが大事なんです。
そして、それ以上に自分で歯を磨けることが大事なんです」
初診で母に向けられたこの一言。
この歯医者さんに救われたのは母なのかも知れません。
